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2016年01月20日

人間の情みたいのが

人間の情みたいのが

皆さんこんばんは。

お休みの夜が更けていきます。

恒例の夜中の本紹介。

「恋地獄」 花房観音

第一回団鬼六賞でデビューした花房さん。

もう大好きで大好きで仕方ない作家さんです。

官能小説という分野は全く興味なかったのですが、花房さんと出会い他の官能小説も読む切っ掛けになりました。

他にも良い作品あったけど、やはり私は花房さんが大好きです。

さて今回は少し毛色の違う怪談官能小説だそうです。

主人公は女性官能小説家(本人かと思って途中から読んでました)。

若かりし頃に物凄く影響を受けた映画を撮ったものの、今や落ち目の映画監督と長年不倫しています。

物語は主人公が京都に家を買い、そこで生活をする所から始まります。

そこに編集者の男性が訪れ、次作の取材の為に墓守娘に取材に行く話。

墓守娘とは、様々な理由でお墓を面倒見れない人の為に代わりに掃除やお祈りをする娘の事を言います。

娘とはいっても現在70歳で、代々続いた墓守も彼女の代で終るので、色々と話してくれる事になりました。

彼女の過去の恋愛、そしてその事で自殺をした男。

その男が今もそこに居て見えていると。

そんな話の間に主人公の行き場の無い不倫の物語が描かれます。

怪談というほど怖い話ではないです。

でも今回も素晴らしい物語でした。

官能小説としては何時もより軽めだけど、良く描かれて居た気がします。

怪談話という前提があったので、何処か岩井志麻子さんに似ていた気がする。

流石に怪談ホラー分野では岩井さんに、一日の長はありますが、これはこれで良かった。

今後も大期待の花房さんでした。

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